要件定義書
薬局レセコン自動入力ワークフロー構築 | 2026年3月12日
基本情報
| プロジェクト名 | 薬局レセコン自動入力ワークフロー構築 |
| クライアント | 中沢様(薬局経営・薬剤師) |
| レセコン | ネグジット総研「調剤くんV8」 |
| 予算 | ¥550,000(税込 ¥605,000) |
| 工数 | 13人日(約2.5週間) |
| 希望導入時期 | 2026年10月前(繁忙期の冬場を避ける) |
| ランニングコスト | Claude API利用料 月額約¥5,000〜10,000 |
1. 背景・課題
薬局において、処方箋受付後のレセコン入力作業に以下の課題がある。
- 教育コストが高い — 事務スタッフへの保険請求ルール教育に時間がかかる
- 取り損ね — 本来取れる点数を見落とし、薬局の収益に影響が出ている
- 人力依存 — OCR/QR読取までは自動化されているが、点数選択は完全手動
- 既存メーカーの対応不足 — スクリプトベースの自動化を試みるも、店舗差異で製品化に至らず
解決方針
AIに保険請求ルールを学習させ、処方箋内容+患者ステータスから取得可能な点数を自動提案する。薬剤師は最終確認のみ行い、不要な点数を外すだけで済むワークフローを構築する。
- 独自システムではなく「ワークフロー」として構築(レセコン入替にも対応可能)
- 既存LLM(Claude)を活用し、RAGで保険請求ルールを参照
- サードパーティー的な位置づけで、どのシステムにも接続可能な設計
2. システム構成
処方箋データ(OCR/QR済み)
↓
① 処方箋データ解析
② 患者ステータス参照
③ RAG(保険請求ルール)照会
④ 取得可能な点数リスト生成
↓
薬剤師確認UI(チェックボックスで点数ON/OFF → 確定)
↓
調剤くんV8(CSV or API連携)
3. 機能要件
保険請求ルールをナレッジベース化し、LLMが参照できるRAG環境を構築する。
- 調剤報酬点数表(厚労省告示)をベクトルDB化
- 加算の算定要件・除外条件をチャンク分割して格納
- 対象: 調剤基本料、薬剤服用歴管理指導料、かかりつけ薬剤師指導料、一包化加算、吸入薬指導加算、後発医薬品調剤体制加算、その他特殊加算
- ネットからの情報取得は行わない(学習させた情報のみ使用)
- 報酬改定時のナレッジ更新手順を整備
処方箋データ+患者情報から取得可能な点数を自動判定する。
入力データ
- 処方箋データ(医薬品名、用法用量、処方日数)
- 処方箋の指示内容(一包化指示、後発品変更可否など)
- 患者ステータス(かかりつけ登録有無、年齢、保険種別)
処理ロジック
- 処方箋データを構造化パース
- 患者ステータスとの突合
- RAGで該当する算定ルールを検索
- 取得可能な点数を網羅的にリストアップ
- 各点数に算定根拠(ルール参照元)を付与
判定ルール例
| 条件 | 加算 | 判定方法 |
| 処方箋に一包化指示あり | 一包化加算 | 処方箋テキスト解析 |
| 患者がかかりつけ登録済 | かかりつけ薬剤師指導料 | 患者ステータス参照 |
| 吸入薬が処方に含まれる | 吸入薬指導加算 | 医薬品マスタ照合 |
| 後発医薬品での調剤 | 後発医薬品調剤体制加算 | 医薬品マスタ照合 |
「取れそうなものは全部チェックを入れておいて、薬剤師が外せばいい」 — 中沢様
AI提案の点数一覧を表示し、薬剤師が確認・確定する最小限の画面。
患者: 山田太郎 様 処方日: 2026/03/12
処方: ロキソプロフェン錠60mg 3T 毎食後
─────────────────────────
☑ 調剤基本料 42点 [自動]
☑ 薬剤服用歴管理指導料 59点 [自動]
☑ 後発医薬品調剤体制加算 28点 [自動]
☐ かかりつけ薬剤師指導料 76点 [要確認]
─────────────────────────
[確定] [修正して確定]
- チェックボックスで点数のON/OFF切り替え
- 各点数の算定根拠を展開表示可能
- 「自動判定」と「要確認(薬剤師判断が必要)」を色分け
- 確定後にレセコン連携データを生成
- Webブラウザベース(タブレット対応)
調剤くんV8への点数データ連携。
- 第一候補: API連携 — 調剤くんV8は外部機器連携(薬液システム・分包機・オンライン資格確認)の実績あり。API存在の可能性が高い。
- フォールバック: CSV連携 — APIが非公開の場合、インポートフォーマットに合わせたCSV出力。
ネグジット総研への仕様確認が必要(中沢様経由で調整)。API非公開でも「レセコン入力の一歩手前」のデータを自動生成することで大幅な効率化は可能。
- 一般的な処方箋パターンでの算定精度検証
- 特殊加算(吸入薬、一包化等)の判定精度
- レセコン連携の動作確認
- エッジケース(複数保険、公費負担等)の動作確認
- 実運用を想定した薬剤師フィードバック反映
4. 非機能要件
| 応答速度 | 処方箋1件あたりの算定結果表示: 5秒以内 |
| 可用性 | 薬局営業時間内(9:00-19:00)の安定稼働 |
| セキュリティ | 患者情報はローカル処理、外部送信は匿名化されたテキストのみ |
| 拡張性 | レセコン入替・報酬改定に低コストで対応可能な設計 |
5. 前提条件
- 処方箋のOCR/QR読取は既存システム(調剤くんV8)で稼働済み
- 調剤報酬点数表・算定ルールの資料提供が可能
- ネグジット総研へのAPI仕様確認は中沢様が窓口
- Claude API利用のランニングコスト(月額推定¥5,000〜10,000)は別途
6. リスクと対策
| リスク | 影響 | 対策 |
| 調剤くんV8のAPIが非公開 | レセコン直接連携不可 | CSV連携にフォールバック |
| 調剤報酬改定(通常2年ごと) | 算定ルールの変更 | RAGナレッジベースの更新手順を整備 |
| 特殊な算定パターンの見落とし | 取り損ね発生 | 運用開始後に精度フィードバックループで改善 |
7. Phase 2 候補(スコープ外)
服薬指導AI支援
- 過去の処方歴・薬歴・マイナンバー経由の検査値を統合
- AIが服薬指導のポイントを提案
- 薬剤師が指導した内容をもとにAIが薬歴を自動生成
「ここまで統合したシステムは現在存在しない」 — 中沢様
大手メーカーは薬剤師の業務負担軽減が報酬改定に影響することを懸念し、手を出していない領域。
8. 費用概要
| タスク | 工数 | 金額 |
| 調剤報酬ルールRAG構築 | 3人日 | ¥130,000 |
| AI点数自動算定ワークフロー | 3人日 | ¥130,000 |
| 薬剤師確認UI開発 | 3人日 | ¥120,000 |
| レセコン連携・データ出力 | 2人日 | ¥90,000 |
| 統合テスト・運用調整 | 2人日 | ¥80,000 |
| 合計 | 13人日 | ¥550,000(税込 ¥605,000) |
9. スケジュール
| 期間 | 内容 |
| Week 1 | RAG構築 + AI算定ロジック開発 |
| Week 2 | 確認UI開発 + レセコン連携 |
| Week 3 | 統合テスト + 運用調整 + 納品 |